学術集会

第10回 日本小児循環器集中治療研究会 学術集会について

名和 智裕 岩崎達雄

岡山大学病院小児麻酔科の岩崎達雄と申します。

この度、節目となる第10回小児循環器集中治療研究会 学術大会を担当させていただくことになりました。非常に光栄なことであり、小児循環器集中治療研究会の会員の皆様には大変感謝申し上げます。

本大会のテーマは「継承と発展」とさせて頂きました。小児の心臓手術は1953 年Gibbonの心房中隔欠損閉鎖手術に始まりました。当初は、比較的単純な先天性心疾患が対象で、合併症も数少なくなくその成績も満足すべきものではありませんでした。その後、より複雑な疾患に対して適応が広がりましたが、現在ではそのほとんどが手術死することなく成人を迎えるまでになりました。多くの先天性心疾患に対する救命のための治療体系は確立されたと言っても過言ではないと思われます。これには体外循環や心筋保護法の改良、外科治療法の改善に加えて術後集中治療の発展が大きく寄与していることは論を待ちません。このような先人の方々の弛まぬ努力によって2000年代を迎え左心低形成症候群などの最重症複雑心臓病の治療体系の確立も達成されつつあります。現在では手術による死亡率ではなく、如何に生存するか、どのような社会生活が送れるのか、その質が求められる時代に入っています。幸い、医療機器やその臨床効果に関する研究の進歩は目覚ましく脳波モニターをはじめとする質の向上に資すると考えられる機器が使用できるようになりました。まさに今大きな転換期となっています。今こそ、先人の方々の努力の結晶を引き継ぎ大きく発展させましょう。

開催地である岡山は、晴れの日が多く気候も温暖で災害が少ないことから晴れの国と呼ばれています。新幹線、空路を含め交通の便もよく、お集まり頂きやすい場所かと存じます。政令指定都市ではありますが、人口は80万人。穏やかで静かな都市で熱く盛り上がりたいとおもいます。是非、岡山にお越しください。

第10回小児循環器集中治療研究会 岩崎達雄
岡山大学病院小児麻酔科



過去の演題

過去の学術集会での演題です。抄録内容は会員ページで閲覧可能です。